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HIGASHI-YAMA Tokyo Mail News

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FOOD NIPPON 2018「東京〈後編〉」のご案内

“FOOD”を知ることは、“風土”をひも解くこと── 。

“日本食文化の再発見”を目的に、2013年より開催してきたFOOD NIPPONでは、日本各地に代々受け継がれてきた“食”を掘り下げ、先人の知恵や工夫に学びながら日本の豊かさに出逢う場を紡いでまいりました。

今年は東京が誕生してから150年の節目にあたることから、前編と後編にわたり、私たちなりに再解釈した「東京」の食文化をご紹介しております。前編で取り上げた“大江戸”に続き、11月6日(火)より始まる後編では明治以降の東京の食文化をひも解きます。

「明治東京全図」所蔵・国立公文書館

激動の一年となった明治元年(1868年)。4月に江戸城が無血開城された後、7月には江戸が東京と改められ、京都から東京へと到着した明治天皇の「東幸」を祝して11月には明治新政府が東京市中の1,592町に2,563樽もの酒を下賜しました。これを喜んだ東京市民は家業を休み、「御酒頂戴(ごしゅちょうだい)」と称して山車を仕立てて練り歩くなどお祭りのように盛り上がったそうです。この御酒頂戴の騒動は、維新の混乱が続くなかで東京市民が政権交代を平和裏に実感する出来事となりました。

「御酒頂戴」(三代 歌川広重)所蔵・東京都立中央図書館

文明開化を掲げた明治時代、西欧文化を積極的に取り入れていくなかで、肉食を中心とする西洋料理が伝わり、千年以上にわたって続いた肉食禁止が解かれることに。当時の人びとは「薬食い」と称して猪などを食べることはあっても、ほとんど口にすることがなかった牛肉を食べることには強い抵抗感がありました。その抵抗感を和らげるため、馴染みのあった猪の牡丹鍋を応用して作られたのが味噌仕立ての牛鍋です。すき焼きの原型となったこの鍋は文明開化を象徴する西洋の味として流行し、浅草を中心に下町中に牛鍋屋が広まりました。仮名垣魯文が著した「安愚楽鍋(あぐらなべ)」には牛鍋屋を舞台に当時の風俗が滑稽に描かれています。明治時代には牛鍋のほか、カツレツ、ライスカレー、オムライス、コロッケなど、現代に通じる数々の料理が誕生しますが、実際に口にすることができたのは富裕層や一部のハイカラな人びとに限られていました。

(左)「安愚楽鍋」(仮名垣魯文 著)挿絵 (右)「東京の口腹」所蔵・東京都立中央図書館

大正12年(1923年)の関東大震災以降、復興による近代化が一気に進み、それに伴って本格的な西洋料理とは異なるいわゆる「洋食」が大衆化していきます。銀座の街をモボ・モガと呼ばれる洋装した若者が闊歩した時代、簡易で安価な洋食を提供する食堂やカフェーが相次いで登場しました。日本人が慣れ親しんだ伝統的な調理法を応用して外来の料理や食材を主体的に受け入れ、主食の米との相性が良いように工夫を重ねて日本化していくことで、洋食という新たな食文化が幅広い層にまで浸透しました。

(左)「帝都随一の商店街銀座大通」所蔵・東京都立中央図書館

その後、第二次世界大戦の東京大空襲により東京は焦土と化し、極めて深刻な食糧難の時代を迎えます。戦後、新宿を皮切りに各地にヤミ市が立ち、生き延びるためにあらゆるものが売り買いされました。復興が進むにつれてヤミ市は都市計画によって整理されていきますが、一部の地域にはヤミ市から派生した大衆酒場や横丁が現存し、困窮に耐えながらもたくましく生き抜いてきた人びとの記憶を今に伝えています。

明治維新、関東大震災、東京大空襲、そして再開発──。破壊と再生を繰り返しながら混沌のなかに秩序を育んできた東京は、全国各地の、そして世界各国の食文化を受け入れて、発展させてきました。今年10月には関東大震災の復興期に開設された築地市場が83年の歴史に幕を閉じました。さまざまな苦難を乗り越えて「日本の台所」として私たちの食文化を支え続け、世界唯一の価値を築き上げてきたその伝統が今、豊洲へと受け継がれようとしています。

時代の流れのなかで進化を続ける東京の食文化を未来へと繋いでいくべく、料理と酒、器をご用意いたしました。私たちなりに再解釈した東京の“FOOD”をお愉しみいただければ幸いです。皆様のご来店を心よりお待ちしております。

FOOD NIPPON 2018「東京」開催日程

会期中、FOOD NIPPON 2018「東京」の特別メニューをランチ、ディナーともに提供いたします。

〈前編〉 5月21日(月)〜6月16日(土)[終了]
〈後編〉 11月6日(火)〜12月1日(土)

特別ランチコース ¥3,500 / 特別ディナーコース ¥8,700(税込、ドリンク料金別)

FOOD NIPPON 2018「東京〈後編〉」特別ディナーコース

FOOD NIPPON 2018「東京〈後編〉」特別ディナーコース

酒肴四点/ロールキャベツ/牡蠣フライ/おでん/鰻の白焼き/安愚楽鍋/栗よせ

特別ディナーコース ¥8,700(税込)
11月6日(火)より12月1日(土)まで

*特別ディナーコースの一部はアラカルトとしてもお選びいただけます。
*食材の仕入れ状況により内容が変更になることがございますので、予めご了承ください。

FOOD NIPPON 2018「東京〈後編〉」特別ディナーコースには・・・ 自家製梅割り焼酎

明治時代、東京に誕生したヱビスビールは日本初となるビアホール“恵比寿ビアホール”を新橋に開店させ人気を博しました。戦後復興期にはビールの代用品としてホッピーが登場し、現在でも大衆酒場などで親しまれています。伊豆諸島の八丈島などでは島焼酎が造られているほか、都内には日本酒の蔵元やワインの醸造所もあり、明治時代以降、食文化の変化にあわせて東京の多様な飲酒文化が育まれてきました。東京島焼酎の自家製梅シロップ割りをはじめ、東京の地酒やワイン、ビールやホッピーなどを特別ディナーコースとともにお愉しみください。

一杯 ¥800
11月6日(火)より12月1日(土)まで

ご予約・お問い合わせ:Tel 03-5720-1300

その他のメニューはこちら

お知らせ

展示・販売のご案内

東京の職人による作品をHIGASHI-YAMA Tokyoに併設のサロンスペースおよび系列店のHIGASHIYA GINZAにて展示・販売しております。是非お立ち寄りください。

[折箱]折勝商店
[木工]大黒屋
[銀細工]森銀器製作所
[硝子]木村硝子店/小川郁子
[染色]小倉染色図案工房

系列店情報

HIGASHIYA GINZA

東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
電話  :03-3538-3230
営業時間:11:00~19:00 無休

www.higashiya.com/shop/ginza

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○の日が休業日となります。

=FOOD NIPPON 開催日

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HIGASHI-YAMA Tokyo

〒153-0043 東京都目黒区東山1-21-25 Tel 03-5720-1300
昼 11:30~15:00(L.O. 14:00) 日曜・月曜定休日
夜 18:00~24:00(L.O. 22:30) 日曜定休日

Lounge

Tel 03-5720-1350
昼 12:30〜16:00(L.O. 15:30) 日曜・月曜定休日
夜 18:00〜26:00 日曜定休日

http://higashiyama-tokyo.jp

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