徳川家康が1603年に幕府を開いて以来、15代にわたり265年間も安定して続いた江戸時代。江戸城を起点に螺旋状にめぐらされた濠は、水運と防御に役立てられ、その周りに武家屋敷がおかれた山の手と、町人が暮らす下町からなる城下町が築かれました。
大江戸とは、人口100万人を超える一大消費都市へと発展した18世紀後半以降における江戸の繁栄を示す雅語。全国各地からさまざまな食文化が持ち込まれ、上方料理の影響を受けながらも、独自の江戸料理が生み出されました。江戸料理が完成したのは、魚介の宝庫である豊潤な江戸前の海と日本橋魚河岸という巨大な魚市場があったこと、さらには関東の濃口醤油や味醂、鰹節の出汁が普及したことが要因とされています。