FOOD NIPPON 2016〈秋〉のご案内
“FOOD”を知ることは、“風土”をひも解くこと── 。
“日本食文化の再発見”を目的に、2013年より季節毎に開催してきたFOOD NIPPONでは、
日本各地に代々受け継がれてきた“食”を掘り下げ、先人の知恵や工夫に学びながら
日本の豊かさに出逢う場を紡いでまいりました。
4年目となる今年は、古来より“海上の道”として
さまざまな人、もの、文化が行き交った「南西諸島」を取り上げ、
農家や工房へ足を運び、丁寧に選んだ食材や酒、 そして職人や作家との交流を通じて製作した器を
HIGASHI-YAMA Tokyoにて、ご紹介しております。
3月に取り上げた「奄美群島」、6月の「大隅諸島」に続き、9月5日(月)より始まる今回は、
宮古列島、八重山列島などの島々からなる「先島諸島」の食文化をひも解きます。
先島諸島はその地理的環境から、先史時代より中国大陸や台湾、
そして東南アジア地域との関連が多くみられます。
琉球王国の支配下におかれた後は、世界で最も残酷な税といわれる人頭税を課せられ、
過酷な生活を生き抜いてきた先人たちがそれぞれの島ごとに独特の文化を形成してきました。
島々には神に仕える女性しか立ち入ることのできない「御嶽(うたき)」という聖域があります。
御嶽は、自然のなかに存在する神々とともに祖先神を祀る場所でもあります。
「パナリ島」と呼ばれる新城島は、神聖な空気に包まれた御嶽がいくつもある神の島として、
日本古来の信仰の姿を残しています。
各島はその形状から“高島”と“低島”に分類されます。
標高500m前後の高い山と川がある高島の代表は石垣島や西表島です。
一方、宮古島や竹富島のように隆起珊瑚礁からなる低島には高い山や川はありません。
このような地形の違いにより、水資源が豊富な高島では水田耕作が行われてきましたが、
低島では畑作を中心とした農業が発展してきました。
食べ物を「ヌチグスイ(命の薬)」と呼ぶ先島諸島では、
医食同源の考えに基づく島ならではの食文化が形成されてきました。
なかでも、暮らしの知恵として伝承されてきた薬草は、まさに命の薬。
長命草をはじめ、ニガナや月桃、ウコンなどの多彩な薬草は、
民間療法における薬、また食卓を彩る調味料としても利用されています。
先島諸島の農家や工房を訪ねるにあたり、石垣島「辺銀食堂」さんにご協力いただき、
さまざまな方をご紹介いただきました。
西表島では、染織家の石垣昭子さん・石垣金星さんが主宰する紅露工房を訪ねました。
芋麻や芭蕉を育て、藍やフクギなどの植物染料を使って布づくりをされている石垣さんは、
ひと時失われていた村の祭事の衣装を復元し、伝統技術の保存や後継者育成にも取り組まれています。
また、石垣島では、途絶えてしまった“八重山焼”の研究を重ね、独特の造形を蘇らせようと
作陶する宮良 断さんの工房を、
そして宮古島ではヤシ科の植物 “クバ”を素材に作品を制作している小川京子さんを訪ねました。
神様の依代と考えられてきたクバは、祭祀に使われる神聖なものであるとともに、
葉杓子や団扇などの民具として利用されてきました。
小川さんの作品には、自然を大切にする島の人びとの心が表れています。
私たちが、その価値や魅力を伝えたいと丁寧に選んだ先島諸島の“FOOD”をお愉しみいただければ幸いです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
FOOD NIPPON 2016 「南西諸島」開催日程
会期中、南西諸島の食材や酒とともにFOOD NIPPONオリジナルデザインの器を取り入れた
特別メニューをランチ、ディナーともに提供いたします。
〈春〉3月7日(月)〜19日(土)[終了]
〈夏〉6月6日(月)〜18日(土)[終了]
〈秋〉9月5日(月)〜17日(土)[終了]
〈冬〉12月5日(月)〜17日(土)[終了]
特別ランチコース ¥3,500 / 特別ディナーコース ¥8,200
(税込、ドリンク料金別)
FOOD NIPPON 2016〈秋〉「先島諸島」 特別ディナーコース
島もずくの酢の物/お野菜盛り合わせ/ナーベラーと麩の味噌炒め/刺身/島おでん/
紅豚の島胡椒焼き/赤魚のアーサ蒸し/牛すじとイカスミの八重山すば/甘味
¥8,200(お一人様)
9月5日(月)より17日(土)まで
*特別ディナーコースの一部はアラカルトとしてもお選びいただけます。
*食材の仕入れ状況により内容が変更になることがございますので、
予めご了承ください。
FOOD NIPPON 2016〈秋〉特別ディナーコースには…
池原酒造所「白百合」
選りすぐった6銘柄の泡盛をはじめ、波照間酒造所の古酒「泡波」、
請福酒造より泡盛仕込みの梅酒をご用意いたします。
特別ディナーコースとともに是非ご賞味ください。
グラス ¥800〜
9月5日(月)より17日(土)まで
ご予約・お問い合わせ:Tel 03-5720-1300
展示販売
南西諸島で出逢った作品をHIGASHI-YAMA Tokyoに併設の
サロンスペースおよび系列店のHIGASHIYA GINZAにて
展示・販売しております。是非お立ち寄りください。
HIGASHIYA GINZA
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
電話:03-3538-3230
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業・翌火曜日休)。