FOOD NIPPON 2016〈春〉のご案内
“FOOD”を知ることは、“風土”をひも解くこと── 。
“日本食文化の再発見”を目的に、2013年より季節毎に開催してきたFOOD NIPPONでは、
日本各地に代々受け継がれてきた“食”を掘り下げ、先人の知恵や工夫に学びながら
日本の豊かさに出逢う場を紡いでまいりました。
4年目となる今年、取り上げるのは、
古来より“海上の道”としてさまざまな人、もの、文化が行き交った「南西諸島」。
2016年3月、6月、9月、12月の会期中、HIGASHI-YAMA Tokyoにて、
大隅諸島、奄美群島、八重山列島の農家や工房へ足を運び、丁寧に選んだ食材や酒、
そして職人や作家との交流を通じて製作した器をご紹介いたします。
3月7日より始まる〈春〉の開催では、
奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島などの島々からなる奄美群島の食文化をひも解きます。
奄美群島は、太古の時代、陸続きであった奄美大島や徳之島にみられる古い地質と
珊瑚礁が隆起してできた喜界島、沖永良部島、与論島の比較的新しい地質に大きく分類されます。
長い歴史の中、それぞれの島で環境に適合する独特の文化や慣習が形成されてきました。
原生的な亜熱帯性多雨林が広がり、固有種や絶滅危惧種が多く生息する奄美大島では、
古くから自然とともに暮らしてきた人びとによって育まれた伝統工芸に出逢いました。
千三百年の歴史を誇る“大島紬”は、島固有の自然資源を用いた“泥染め”による染色技法と
精巧で緻密な手織技術が結晶した絹織物です。
大島紬の絹糸は、里山から切り出した車輪梅の染料で染めた後、
古代地層の影響で鉄分を豊富に含む“泥田”で反応させます。
その工程を繰り返すことで大島紬独特のより深い黒色に染め上げられます。
泥田には多様な生き物が生息し、周囲には泥の鉄分などを整えるため、
郷土の食材でもあるソテツや田芋などが植えられており、
その環境は、大島紬の伝統がまさに奄美大島の風土から生み出されたことを物語っています。
私たちは、古代天然染色泥染草木染工房「金井工芸」の金井志人さんと
木彫を中心に制作をしている「KOSHIRAERU」の寳園純一さんにご協力いただき、
染料の車輪梅そのものを泥染めしたFOOD NIPPONオリジナルデザインの皿を製作しました。
その他、奄美の自然に着想を得て作陶している「雅工房」の森雅志さんの器をご紹介します。
奄美群島の器から、土地の恵みと先人達の知恵を感じていただければ幸いです。
一方、隆起珊瑚礁の島、喜界島は、現在も年間2ミリメートルという世界屈指の速さで隆起を続けており、
土壌は弱アルカリ質で水はけがよく、適度な塩分と豊富なカルシウムが含まれています。
喜界島では、この土壌を生かし、サトウキビをはじめ、在来種の白胡麻や柑橘類が栽培されています。
喜界島の黒砂糖に魅了され、東京から移住した杉俣紘二朗さんは、無農薬、無化学肥料でサトウキビを
栽培し、昔ながらの製法で上質な黒砂糖づくりに取り組まれています。
その他、珊瑚礁の潮溜まりで太陽に照らされ、濃度が高くなった海水を薪でじっくりと煮詰めて作る天然塩や、
奄美黒糖焼酎などその価値や魅力を伝えたいと丁寧に選んだ奄美群島の“FOOD”を是非お愉しみください。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
FOOD NIPPON 2016 「南西諸島」開催日程
会期中、南西諸島の食材や酒とともにFOOD NIPPONオリジナルデザインの器を取り入れた
特別メニューをランチ、ディナーともに提供いたします。
〈春〉3月7日(月)〜19日(土)[終了]
〈夏〉6月6日(月)〜18日(土)[終了]
〈秋〉9月5日(月)〜17日(土)[終了]
〈冬〉12月5日(月)〜17日(土)[終了]
特別ランチコース ¥3,500 / 特別ディナーコース ¥8,200
(税込、ドリンク料金別)
FOOD NIPPON 2016〈春〉「奄美郡島」特別ディナーコース
前菜盛り合わせ/刺身 酢味噌で/酢玉子と唐芙蓉/ドゥルワカシー/
地鶏と瓜のスープ 花良治胡椒で/揚げ島豆腐とニラの煮付け/
黒豚の黒糖煮とミヌダル/油そば/甘味
¥8,200(お一人様)
3月7日(月)より19日(土)まで
*特別ディナーコースの一部はアラカルトとしてもお選びいただけます。
*食材の仕入れ状況により内容が変更になることがございますので、
予めご了承ください。
FOOD NIPPON 2016〈春〉特別ディナーコースには…
朝日酒造「壱乃醸 朝日」
喜界島の朝日酒造「壱乃醸 朝日」をはじめとする選りすぐりの4銘柄の奄美黒糖焼酎と
“初垂れ”と呼ばれる黒糖焼酎の旨味を凝縮した「南の島の貴婦人」、
奄美産のすももを黒糖焼酎「里の曙」で仕込んだリキュール「奄美すもも酒」をご用意いたします。
特別ディナーコースとともに是非ご賞味ください。
グラス ¥800〜
3月7日(月)より19日(土)まで
ご予約・お問い合わせ:Tel 03-5720-1300
展示販売
南西諸島で出逢った作品をHIGASHI-YAMA Tokyoに併設の
サロンスペースおよび系列店のHIGASHIYA GINZAにて
展示・販売しております。是非お立ち寄りください。
HIGASHIYA GINZA
東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
電話:03-3538-3230
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業・翌火曜日休)。