FOOD NIPPON 2016〈夏〉のご案内

“FOOD”を知ることは、“風土”をひも解くこと── 。

“日本食文化の再発見”を目的に、2013年より季節毎に開催してきたFOOD NIPPONでは、
日本各地に代々受け継がれてきた“食”を掘り下げ、先人の知恵や工夫に学びながら
日本の豊かさに出逢う場を紡いでまいりました。

4年目となる今年は、古来より“海上の道”として
さまざまな人、もの、文化が行き交った「南西諸島」を取り上げ、
農家や工房へ足を運び、丁寧に選んだ食材や酒、 そして職人や作家との交流を通じて製作した器を
HIGASHI-YAMA Tokyoにて、ご紹介しております。

3月に取り上げた「奄美群島」に続き、6月6日(月)より始まる今回は、
種子島、屋久島、口永良部島、馬毛島などの島々からなる「大隅諸島」の食文化をひも解きます。

太古の原生林が広がる屋久島は、洋上のアルプスと形容されるほど数々の高峰がそびえる山岳の島。
9割以上を山地が占める島で、人びとは海岸沿いのわずかな平地で山と海の恵みを受けて暮らしてきました。

黒潮にのって運ばれた暖かく湿った風が山をのぼって山頂の冷えた大気とまじわり、
雨となって絶え間なく島を潤すことから、“月に35日は雨が降る”といわれるほど。
豊富な流水や湧水に恵まれているため、島内の電力は水力発電で賄われています。
厳しい自然に畏敬の念を抱き、共生する島の人びとの暮らしは、
これから私たちが目指すべき循環型社会のあり方を示しています。
屋久島では、豊かな森で多種多様な植物を食べて育った屋久鹿や、
広葉樹の薪で燻され、黴付けと天日干しを繰り返して作られる鯖の本枯れ節など
島ならではの食材に出逢いました。

屋久島とは対照的に平坦な地形の種子島は、農地に恵まれた島です。
私たちは島の南端に位置する宝満神社の御田植祭に立ち会いました。
赤米を伝えたとされる玉依姫を祭る宝満神社は、毎年4月、神田に赤米を植える御田植祭が行われています。
神田に隣接する“御田の森”と呼ばれる場所で祈祷した赤米の苗を田植歌とともに植え、舞を奉納した後、
なおらいでは、赤米の握り飯やお煮しめなどが振る舞われます。
一方、玉依姫の夫、うが葺草やふき葺不合あえずのみことを祭る島北端の浦田神社では、昔から白米を栽培してきました。
インドネシアの稲の系統とされる赤米は黒潮と共に南から、白米は大隅半島から伝わったとされ、
古来より、種子島は稲を大事に祭り育ててきた稲作の島だということがわかります。

屋久島と種子島にのみ自生するマツ科の植物 ヤクタネゴヨウは松くい虫による松枯れ被害で減少が著しく、
絶滅危惧種に指定されています。近年では、大気汚染による影響についても研究されており、
地道な保全活動が行われているものの、依然として厳しい状況にあるヤクタネゴヨウ。
島を取り巻く環境の影響で変化を続ける自然に想いを馳せ、私たちは種子島の方の協力を得て、
倒木したヤクタネゴヨウを利用して器を製作しました。
また、屋久島で作陶する埴生窯の山下正行さん、種子島で作陶する野口悦士さんの器をご紹介いたします。

私たちが、その価値や魅力を伝えたいと丁寧に選んだ大隅諸島の“FOOD”をお愉しみいただければ幸いです。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。

FOOD NIPPON 2016 「南西諸島」開催日程

会期中、南西諸島の食材や酒とともにFOOD NIPPONオリジナルデザインの器を取り入れた
特別メニューをランチ、ディナーともに提供いたします。

〈春〉3月7日(月)〜19日(土)[終了]

〈夏〉6月6日(月)〜18日(土)[終了]

〈秋〉9月5日(月)〜17日(土)[終了]

〈冬〉12月5日(月)〜17日(土)[終了]

特別ランチコース ¥3,500 / 特別ディナーコース ¥8,200

(税込、ドリンク料金別)

FOOD NIPPON 2016〈夏〉「大隅諸島」 特別ディナーコース

直会盛り/飛び魚さつま揚げと車海老の炊き合わせ/お造り/酒肴/インギー鶏の月桃葉蒸し/
飛び魚の煎りだし/黒毛和牛と屋久鹿の炭火焼き/屋久とろご飯/焼き芋団子

¥8,200(お一人様)
6月6日(月)より18日(土)まで

*特別ディナーコースの一部はアラカルトとしてもお選びいただけます。

*食材の仕入れ状況により内容が変更になることがございますので、
予めご了承ください。

FOOD NIPPON 2016〈夏〉特別ディナーコースには…
三岳酒造「三岳」

屋久島の水は硬度の低い超軟水。やわらかな甘みがあり、日本名水百選にも選ばれています。
屋久島の名水で醸された芋焼酎「三岳」は、
まろやかな口当たりが特徴で、島の料理にとてもよく合います。
屋久島と種子島から選りすぐった6銘柄の芋焼酎をはじめ、
本坊酒造「黒糖梅酒」をご用意いたします。
特別ディナーコースとともに是非ご賞味ください。

グラス ¥800〜
6月6日(月)より18日(土)まで

ご予約・お問い合わせ:Tel 03-5720-1300

展示販売

南西諸島で出逢った作品をHIGASHI-YAMA Tokyoに併設の
サロンスペースおよび系列店のHIGASHIYA GINZAにて
展示・販売しております。是非お立ち寄りください。

HIGASHIYA GINZA

東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル2F
電話:03-3538-3230
営業時間:11:00~19:00
定休日:月曜(祝日の場合は営業・翌火曜日休)。

www.higashiya.com/shop/ginza