HIGASHI-YAMA Tokyo

三年目となる今年は、古くから「豊の国」と呼ばれてきた「大分県」を取り上げ、
その大いなる魅力を分かちあうべく、春夏秋冬、季節毎にテーマを設け、
私たちなりに再解釈した大分県の食文化をご紹介しています。

〈秋〉の開催では、“持続可能”をテーマにその食文化を掘り下げ、
国際連合食糧農業機関（FAO）により「世界農業遺産」に認定された国東半島宇佐地域の
持続可能な農業と漁業に着目しました。

まず訪ねたのは、全国八幡社の総本宮である宇佐神宮。国東半島で花開いた六郷満山文化の
中心的存在として、神仏習合をいち早く取り入れたことでも知られます。
かつて宇佐神宮の荘園であった田染荘では、千数百年前から稲作が行われ、
美しい棚田の景観を今に残しています。
水の確保が困難な火山性土壌のこの地域では、水を得るための工夫が凝らされてきました。

先人たちは、火山性土壌に適した広葉樹 くぬぎを植え、ため池をつくりました。
やがて、くぬぎの原木で椎茸栽培を始め、数百年にわたり、くぬぎ林に手を入れることで、
水源が確保され、多様な生態系が育まれてきたのです。
くぬぎ林とため池がこの地の農林水産循環の礎となっています。

また、国東半島の北部沖に位置する姫島では、持続可能な漁業に出逢いました。
乱獲を避けるため、明治期より「漁業期節」という独自の規制を設け、自主的な資源管理を
行ってきた姫島の取り組みは、日本の漁業が目指すべきあり方のひとつを示しています。

工芸では、日田市源栄町の山間で開窯以来、一子相伝で技術や伝統を守り続けている小鹿田焼や
全国一のマダケ生産量を誇る大分県で盛んに行われてきた竹工芸の工房を訪ね、
作家との交流を通じて製作したFOOD NIPPONオリジナルデザインの器をご用意いたします。

農家や工房へ足を運び、その価値や魅力を伝えたいと丁寧に選んだ
大分県の“FOOD”を是非お愉しみください。

皆様のご来店を心よりお待ちしております。